fc2ブログ

ちからたろう

2012-03-16
ちからたろう『ちからたろう』
文/今江祥智(いまえ よしとも)
絵/田島征三(たしま せいぞう)
ポプラ社 1967年
分類/力持ち・化け物退治・伝統的語り・成長物語
おすすめ年齢/6歳から

力技の絵本というものがある。ちからたろうは金棒を杖にして、「えいえいおう」と立ち上がる。ごはんを「わしわし」食べ、「のっしじゃんが、のっしじゃんが」と歩くとき、物語は勢いを増していく。この昔話には、今この場で生み出されているような語りの力強さが息づいている。ストーリーは化け物退治。でもね、それはたかだかお話しの背骨に過ぎません。大きすぎる手が、まったく大きすぎるとは感じないほどに、この物語は肉付きがいい。勢いのある筆使い、大胆な構図、決してきれいにまとまろうとはしない生命力のようなものが、絵をはみ出すほどにみなぎっている。緑の化け物だって、なぜだか嫌いにならないんだよね。それはどこかで生命力というものに対する肯定感がお話の中に流れているからじゃないかな。車座になってごはんを食べるところは、笑い声さえ聞こえてきそうです。はじめの方に出てくる「えじこ」(嬰児籠)という言葉が僕にはわかりませんでした。これは藁を編んだり、竹や木で作った赤ちゃんを入れる籠のようなもののことだそうで、絵に描かれてある通りです。




tag :
コメント:
このコメントは管理者の承認待ちです
[2012/06/07 10:00] | # | [edit]












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://moonlitbookreview.blog.fc2.com/tb.php/52-43df830a

<< topページへこのページの先頭へ >>